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驚異の映像体験を生みだしたCGアーティスト、『アリータ』制作の舞台裏を明かす!

2019年02月22日(金)配信

木城ゆきとの代表作である伝説的SFコミック「銃夢」を、『タイタニック』(97)や『アバター』(09)を手がけたジェームズ・キャメロンとジョン・ランドー製作のもと、ハリウッドで実写映画化した『アリータ:バトル・エンジェル』がいよいよ本日22日から公開中。本作の革新的なビジュアルを作り上げたWETAデジタルのCGアーティスト、ニック・エプスタインが昨年末に来日を果たし、制作の舞台裏やこだわりなどを語ってくれた。本作は当初18年夏に公開される予定だったが、同12月に公開が延期。その理由についてランドーは昨年夏に来日した際、「ビジュアルエフェクトを最高のレベルにするため」とその理由を明かしており、その後19年2月への公開の延期が発表された。エプスタインはこの2度の延期について「フィルムメーカーたちのビジョンによるものだ」と語った上で、「原作漫画をそのまま実写にしたような、すごい世界が観られるはずだよ」と自信たっぷりに語り、待ちわびているファンの期待をあおった。元々ジェームズ・キャメロンが原作に魅了され、長年にわたり映画化を熱望していたという経緯があるだけに、本作にかけるキャメロンの意気込みはひとしおのようで「彼のビジョンは作業がはじまる前からハッキリしていて、600ページもの“バイブル”と呼ぶべき資料が作られていたんだ」とエプスタインは明かす。その“バイブル”に記された、制作の最も大きなコンセプトは「原作の持つマインドやエッセンスを、完璧に抽出すること」だったという。「例えばティザーポスターにも使われている、アリータが目の下に血を擦り付けるシーンがあるんだ。最初にそのシーンを作ったら、位置が少しだけ低く、曲線の角度が少しだけ違っていた。すると『原作の何ページのどこを参考にして』と言われ、原作の通りに修正した。ほかにもコミックと微妙に構成が違うカットや、落ちる涙をブレードで斬るコマも直していったんだ。きっと原作ファンはすぐに気付いてくれるはずだよ」と、寸分違わぬレベルで忠実に原作の“実写化”をするという、途方もないこだわりによって作られたことを明かした。エプスタインはこれまでに『アバター』はもちろんのこと「ハリー・ポッター」シリーズや『X-MEN:ファイナルディシジョン』(06)や『ホビット 竜に奪われた王国』(13)など、数多くの映画に携わってきたビジュアルエフェクトの第一人者だ。そんな彼が本作で最も苦労して作り上げたシーンはどこなのか?訊ねてみると「レナード・ウーが演じたキヌバがバーから出てくるシーンが一番大変だった」と即答する。「彼がバーから女性を2人背負って出てくるんですが、キャラクターの見た目が本物のレナードに比べて非常に大きい。元々レナードの体があったところに大きなサイボーグの体をフィットさせなければならなかったのですが、小さなスペースに大きなものをどのように入れるか、わずか5、6ショットのシーンですが、すごく大変でした」。そしてもうひとつ「アリータが水中で動くシーン」も苦労の連続だったという。「重い体を持つサイボーグが水の中でどのように動くのか、参考になるものが何もなかった。だからニュージーランドのフリーダイバーの人に同じ重さになって歩いてもらい、その動きをベースに作りました」と、徹底的にリアリティを追求していったことを教えてくれた。日々進歩する映画技術の、現時点での最高レベルを用いて作り出された本作。「数年前までは悪夢のように難しかった、水が付着してぺたっとなった時の髪の動きが、いまではLOKIという装置を使ってシミュレーションすることができる。そしてパフォーマンスキャプチャーも進化していて、顔全体の奥行きが正確に再現できるし、一度デジタルに落とし込んで確認した上でアリータにすることができるようになった」と、本作で取り入れた多くの技術革新について楽しそうな表情で語っていくエプスタイン。作品の表舞台になかなか立つことのない、彼のような裏方スタッフの努力なくして、本作のような圧倒的なスケールのハリウッド大作は生まれないのだと、改めて感じられた。是非とも劇場の大スクリーンを通して、そのこだわり抜かれたディテールの数々を目撃し、酔いしれ、そしてこの上ない驚きを味わってほしい。

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